予防接種

防接種とは

各々(個人)が感染症を予防することを目的として行うほか、予防接種を受けることができない方などに感染させない、いわゆる社会全体に感染症が流行することを阻止することも目的として行うものです。

予防接種とはワクチンを注射することを言いますが、ワクチンとは感染症の原因でもあるウイルスや細菌といった病原体の病原性を非常に弱くしている、もしくは無力化させた薬剤(液体)になります。これを注入していくことで、体内の免役と病原体が遭遇し、免疫システムが働くようになります。この病原体はほぼ無力化されているので、それによる症状が出ることはありません。これにより、次に同じ病原体に感染した場合でも症状は現れない、もしくは症状が出たとしても重症化する可能性は低くなります。

当院では予防接種として、インフルエンザと成人用の肺炎球菌のワクチン接種を行っています。そのほかのワクチン接種を希望される方は個別にご相談ください。

ンフルエンザワクチン

インフルエンザとは

日本語では流行性感冒(流感)と言いますが、一般的にはインフルエンザという呼び名が浸透しています。これはインフルエンザウイルスによる呼吸器感染症で、感染力が強く、飛沫感染や接触感染によって感染します。1~2日後の潜伏期間を経てから発症し、強い寒気や高熱(38℃以上)に見舞われるほか、鼻水や喉の痛み、頭痛、全身の倦怠感、関節痛などもみられるようになります。小児や高齢者、基礎疾患を持っている方は重症化しやすく、肺炎や小児ではインフルエンザ脳症を併発することもあります。

予防について

インフルエンザを予防する方法としては、手洗いやうがい、マスクの着用などもありますが、なかでも効果が高いと言われているのがインフルエンザワクチンの接種です。なお同ワクチンは年齢によって接種回数が異なります。13歳以上の方であれば1回の接種で済みますが、13歳未満のお子さんは計2回の接種が必要です。2回目を受ける場合は1回目の接種から2~4週間の期間を空けるようにしてください。ちなみに同ワクチンを接種したとても手洗いやうがい、マスクの着用は怠らないようにしてください。

接種時期について

インフルエンザワクチンの効果をより高めたい場合は接種時期も考慮する必要があります。日本では、例年12月~翌3月頃までにインフルエンザが流行します。そして同ワクチン1回の接種による持続効果は約5ヵ月、接種後に効果を発揮するまでに2週間程度かかると言われています。このことから高い効果を期待したい場合は、遅くとも11月中旬頃までに接種することをお勧めします。

炎球菌ワクチン

肺炎とは

細菌、ウイルスといった病原体に感染、あるいは薬剤、アレルギーの影響によって、肺が炎症を起こしている状態が肺炎です。肺炎の中でも細菌に感染して発症する細菌性肺炎が最も多く、発熱、痰・咳、だるい、食欲不振、息切れといった症状がみられるようになります。

肺炎球菌ワクチンについて

小児や高齢者、基礎疾患をお持ちの方に発症しやすいのも肺炎の特徴で、同疾患は日本人の死亡原因の第5位(2017年(平成29年)厚生労働省「人口動態統計」より)なのですが、そのうち65歳以上の高齢者が占める割合というのは95%以上です。また成人が発症する肺炎の4分の1~3分の1の方が肺炎球菌による感染が原因なことから、高齢者の肺炎球菌予防接種(23価肺炎球菌多糖体ワクチン)は定期接種となっています。各務原市では、高齢者用肺炎球菌ワクチンの予防接種の費用を一部助成していますが、全ての高齢者が対象ではありません。詳細に関しては、各務原市の公式ホームページをご覧ください。なお一部費用助成の対象者でない方でも全額自己負担にはなりますが、接種自体はできます。

インフルエンザとの併用接種が望ましい

なお肺炎球菌ワクチンを受ける高齢者の方につきましては、インフルエンザワクチンの同時接種を受けるようにしてください。両ワクチンを併用接種することは、それぞれ単独で接種するよりも肺炎の発症率が下がることが分かっているからです。詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。

また同ワクチンは5年以内に再度接種すると注射部位に疼痛が強く出るほか、紅斑などの副反応が初回に接種した時よりも頻度が高くなると言われています。そのため、前回接種した日時というのをしっかり確認し、5年が過ぎていると判明した時点で受診の手続きをするようにしてください。

各務原市の高齢者肺炎球菌予防接種はこちら

防接種を受けられない方

なおインフルエンザや肺炎球菌ワクチンの予防接種を希望されている方で、以下のような症状が認められる場合は、当日の接種は行いませんのでご了承ください。

  • 接種日に37.5℃以上の発熱がある方
  • 重篤な急性疾患を罹患している方
  • 予防接種でアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • 予防接種を受けることが不適当と医師に判断された方 など